立技と同様に座技でも、踏ん張らず力まず、丹田を浮遊させて自由に動かして捌くのが理想です。
常在自由の膝行の足捌きの基本
膝行は、立技における体捌き、足捌きと同じように、踏ん張らない、力まない、丹田を中心に浮いた感覚が基本です。相手を真下に崩せるように、後足をきちんと引き付け、常に重心が分散しない状態を維持するのが肝です。
呼吸で捌く正面打ち一教(呼吸力の探求①)
相手の打ち込みに対して、こちらも打ち込みで返さない。打ち込みに合わせて身体全体の呼吸で吸収し、下に崩す。呼吸力とは何か? 身体のすべての力を抜いた上で、最後に残るのは丹田を中心にした身体全体の開け閉めではないのか? 踏ん張れば足に、肩に、肘に力が入る。その力とはまったく次元の違う、踏ん張らない呼吸力を探求します。
舟漕ぎ運動と膝抜き(浮舟の探求⑥)
舟漕ぎ運動は、腕力に頼らず、重心移動により相手を捌くための練習法です。同時に、これと膝抜きを組み合わせることで、相手と一体化した状態での重心移動と崩しが可能になります。
接点から遠い場所から抜く(中心帰納の探⑲)
相手との接点から一番遠い場所、正面打ちの場合には、踏ん張っている後足の膝下から脱力します。これにより受けは、打ち込んでいる目の前の壁が突然無くなるようにバランスを崩します。相手の力に逆らわず、それを吸収して捌くのが目標です。
自然体に戻るプロセスで捌く(正面打ち一教)
正面打ちはどうしても、打ち込んでくる手刀に対応する意識になりがちですが、それに拘らず、ただ自分が自然体に戻ることだけを考えます。ゆえに、自然に腰回しを繰り出せる間合い、タイミングで入身します。
交差取りからの崩し(中心帰納の探⑱)
合気道において、相手のバランスをいかにに崩すのかは、極めて重要です。すべての技は、この崩しを前提に成立しています。だからこそ、崩しとは何かを、心身両面において探求することが問われます。
初めての座技正面打ち一教(丹田で下に崩す)
座技はまずは膝行がしっかりできるかですが、接点でぶつかることなく、丹田の動きで相手を下に崩してから膝行し制することを目指します。すべての技と同様、まずは崩しがなければ無理な動きになってしまいます。
重心線を正中線に戻すだけ(中心帰納の探求⑭)
伸筋などを使って腕にいくら力を入れても、その力はたかが知れています。しかし、自分自身の身体のバランスをちょっと動かすだけで、相手は崩れます。問題は、相手の存在にとらわれることなく、自分自身の心身の状態をチェックし、コントロールできるのかにあります。
何かする気配を出さない(中心帰納の探求⑬)
自然体に戻るのは、何もしない状態に戻るためです。何かをしようと意図した途端に、それは相手に伝わり、抵抗、反発を生み出します。がっちりと持たれた諸手取りからの崩しは、その自分の状態を検証するための試金石です。