


心身の自由を求めて



作用ー反作用の関係を作らず、自分の体重をそのまま相手に伝えれば、どんなに力がある人でも耐えられない。そのためには、決して踏ん張らない、頑張らない。丹田を中心に浮遊した感覚で、リラックスして相手を捌きます。
武道的に求められる「上虚下実」を追求するためには、腕を駆使する意識を極限的に無くす必要があります。腕を曲がる、腕を上げるという動きは、すべて相手のエネルギーと自分の体捌きの結果であり、自分が意識して動かそうとした瞬間に、「上実下虚」となります。これを諸手取りで検証します
物理的により大きなエネルギーを産み出すために、踏ん張ったり引っ張ったりせず、ただ自分の身体の運動エネルギーを最大限に駆使します。丹田を中心に浮いた感覚こそが、これを可能にします
武道である以上、First Contact ですべてが決まると言っても過言ではありません。相手と向かい合った瞬間から合気する。決まった型から始まるのではない自由な動きを目指します。

合気道が「動く禅」と言われる所以は、明鏡止水となる心身の状態を目指すからでしょう。一瞬の静寂が動を産む。動と静は表裏一体。わずか0.1秒でも、世界が止まる瞬間を体感したいものです。

里山合気会が昨年8月に、会員とそのご家族の方たちで開催した懇親会。 そこでそれぞれの方に、「なぜ合気道をするのか?合気道に何を求めるのか?」を一言ずつ話していただいた。 一応主催者として、最後にまとめる話をさせていただいた。 「みなさん、虹の色は何色だと思いますか? 普通は7色だと思っているかもしれませんが、国や民族、文化の違いによって、例えば3色だと考える人たちもいます。つまり同じものを見ても、全然違って見えているわけです」 「そして、その違いは、その共同体、コミュニティーによって決まります。虹を3色だと認識する共同体に暮らす人にとっては、それが当たり前。でも、7色どころか、もっと細かく色の違いを識別する共同体にいる人にとっては、繊細に細分化されていきます」 「私が稽古で目指すことは、心身の在り方について、より繊細に差異を感じられ、より緻密に駆使できるようになることです。でもそれは、一人ではできません。稽古仲間と一緒に、道場の文化として作り上げていくしかできないわけです」 「里山合気会は、より豊かに、より繊細に、より緻密に、心身の在り方をお互いに感じられる、そんな道場として発展していくことができればと思います。それはここにいるみなさんが、全員で取り組んでいかなければできないことですから、ぜひお互いに協力していきましょう」 相当酔っ払っていたから、こんなにまとまって綺麗には話してはいないと思うが、こんなことをお話ししたと記憶している。 今年も、合気道を通じて、より豊かに、より繊細に、より緻密に、そして何よりより楽しく生き生きとなれるように、会員の方と一緒に稽古に励んでいきたい。
里山合気会の稽古は、各人の問題意識を触発することがメインです。どんな習い事でも同じですが、すべての道は自分自身で切り拓くしかありません。道場はそのための実験場であり、道友は実験仲間。指導者も初心者も、誰もが試行錯誤を繰り返しながら稽古します。来年のテーマは「水になれ」。柔らかく、しなやかに、竹のようなレジリエンスを持つ心身を目指していきましょう。