後から両手をねじ上げられた厳しい状態でも、心身を解放して柔らかく捌くことは可能です。心が固まると、身体も固まる。心身は一体であることを学ぶ稽古です。
上虚下実の捌き(正面打ちはただ腕を上げるだけ)
両腕だけで10キロ近い重さがあり、それをただ上げて相手に渡し一歩入身すれば物凄い運動エネルギーです。しかし肩が固く腕に力を入れれば、その力は失われ、自分のバランスも崩れます。上を虚にし、下を実にする。武道にとっては永遠の課題です。
重力を使い身体のパーツを活かす①(呼吸法)
片腕だけでも4~5キロ、両腕なら10キロ前後はあるだろう身体パーツを何不自由なく上げ下げできる。普通の人が当たり前に行っているこの動作は、考えれみればすごい能力です。しかしそのパワーは、筋力を駆使すればするほど相手には伝わりません。合気道は誰もが持っている潜在能力を開花させる道だと考えると、面白くなってきます。
呼吸力と脱力は表裏一体(肩をどうやって柔らかくするのか)
呼吸力を発揮するためには、脱力、特に肩の脱力が必須ですが、これがなかなか難しい。そこでまずは受けに肩を振ってもらい、疑似的に脱力状態にしてから技をかけてみる。このことで、本来の脱力がどんな感じなのかを体感し、そこを目指して稽古します。
伸び伸びと心身を解放する呼吸の流れ②なぜ片手取り呼吸法と呼ぶのか?
合気道の稽古において、アルファでありオメガである片手取り呼吸法。恥ずかしながら、なぜ「呼吸法」なのか、この当たり前の問いを本質的に突き詰めて考えてことはありませんでした。最近、やっと少し分かってきた気がします。
丹田の球体で捌く③(柔らかさは波を伝える)
すべてのエネルギーはまず丹田にもらい、球体はそれを返し、最後に再び丹田に帰っていく。そのエネルギーの波を伝えるためには、心身が柔らかい状態にあることが必須です。特に肩甲骨はがしができているのかどうか、が試金石となります。後両手取りであえて相手にがっちりと掴ませるのは、それを検証するためです。
浮いて呼吸で捌く二人掛け(2段審査準備)
二人に両側からがっちりと諸手で掴まれても、力まず、踏ん張らず、頑張らない。自分が浮いて自然体に戻ることで相手と一体化し、相手の力を無力化した上で、ただ軽く捌きます。
腕の意識を捨てる(問題意識を共有する④)
持たれた手を意識せず、接点で捌こうとしない。重要なことはすべて、自分自身の心身の内側で起きていることを自覚する。相手を変えようとしない、自分の心身の状態をコントロールすることが、何より大切です。
踏ん張らず力まず腕を使わない(問題意識を共有する②)
合気道を経験された方が体験に来られた場合、私たちがどのような問題意識で稽古しているのかをご説明します。技術的なことは指導者、道場によって千差万別なのは当たり前。ただ、同じ合気道仲間として、問題意識を共有できれば、楽しい稽古ができると思います。
心身を浮かせて膝抜きで動く(浮舟の探求⑧)
筋力や瞬発力に依存せず、自分のバランスをコントロールしながら膝抜きで動けば、踏ん張らず、力まず、固まることもありません。後両手取りなどの捌きにおいて、はっきりとその差が出ます。

