相手の攻撃に反撃するのではなく、争わず、自然体で捌き、さよならする。これができれば、技をかけようと思えばいつでもかけられます。
大切なことはすべて身体内部で起きている
相手との接点は何も変化させず、ただ自分の身体内部のバランス、軸を動かして自然体に戻る。ただこれだけで、得体の知れない力が相手に伝わります。これを可能にするには、脱力し、身体内部を緩め、相手と争う気持ちを捨て、持たせている手を捨て、自分自身とのみ向き合い必要があります。
2025年も合気道でレジリエンスを高めよう(2024年11月審査)
今年11月の昇段昇級審査では、14名の方がチャレンジされました。合気道を通じて心身のレジリエンスを高めるためには、無理せず明るく楽しく稽古することが一番大切です。2025年も互いをレスペクトしながら、稽古していきましょう。
一緒にダンスするように自然体で捌く
相手を投げることが目的ではなく、自分が自然体に戻ることが目的です。技はあくまでもそのためのプロセス。本来何もしたくない自分に向かってきた相手を捌き、何もしなくてもいい状態に戻るだけです。
相手を投げることではなく自然体に戻すのが目的(問題意識を共有する①)
最近、他県から体験稽古を希望される方が何人かおられ、「こんな小さな田舎の道場でよろしければお気軽にどうぞ」と楽しく稽古させていただきました。せっかく来ていただいたので、私たちがどのような問題意識で稽古しているのかはお伝えしたほうがいいと思い、それをまとめたシリーズを作成します。第1回は、「合気道の目的は相手を投げることではなく、自分自身と向き合い、自然体に戻ること」というテーマです。
接点から遠い場所から抜く(中心帰納の探⑲)
相手との接点から一番遠い場所、正面打ちの場合には、踏ん張っている後足の膝下から脱力します。これにより受けは、打ち込んでいる目の前の壁が突然無くなるようにバランスを崩します。相手の力に逆らわず、それを吸収して捌くのが目標です。
自然体に戻るプロセスで捌く(正面打ち一教)
正面打ちはどうしても、打ち込んでくる手刀に対応する意識になりがちですが、それに拘らず、ただ自分が自然体に戻ることだけを考えます。ゆえに、自然に腰回しを繰り出せる間合い、タイミングで入身します。
すり足はNG!母指球と踵で身体を浮かせる(動く禅の探求④)
諸手取りで厳しく持たれても、心身をリラックスさせ、身体を浮かせるようにします。軽快に足を動かすためにも、すり足はNG。母指球と踵でフワッと浮けば、相手に囚われずに心も柔軟になり、脱力した状態を保てます。
心身を柔らかく解放する後両手取り呼吸投げ(動く禅の探求③)
身体を固めているのは心です。この動画を観ると良く分かるのは、最初は肩を柔らかくできずに崩れていた姿勢が、徐々に自然体に近づいていき、より技がかかるようになっていく変化です。身体的な条件は同じなのに、心の持ち方で柔らかくなる。これが合気道の魅力でもあります。
肩取りから自然体に戻す(中心帰納の探求⑰)
相手との接点が手から肘、肩、そして胸など、正中線に近づいてくるほど、自然体に戻すプロセスは繊細な重心移動となります。そして力ずくで大きく動かせば動かすほど、相手に感知されます。ほんのわずかな崩しが、より根底的な崩しにつながる世界を目指します。

