ぶつかれば、相手はすぐにこちらの重心の位置、力の出所を感知します。それを分からせないためには、踏ん張らない、力まない。こちらから攻撃しない合気道は、ただ柳のように柔らかく捌くだけです。
丹田の球体で捌く両手取り天地投げ
天地投げは受け取ったエネルギーを天と地に分けて返してあげる。相手のエネルギーはいったん丹田に吸収します。ただし、吸収するというのは、丹田の球体の表面でくるっと返してあげるイメージです。
丹田を浮かせる(力まない踏ん張らない天地投げ)
丹田を浮かせれば心身を自由に解放できます。
丹田の球体で捌く⑩(水になり吸収する天地投げ)
浮いた水袋となって相手の力を丹田に吸収し、そこから波動が伝わるように返していく。踏ん張らず、力まず、静かに捌くことを目指します。
丹田の球体で捌く⑨(水は波動を伝える)
ブルース・リーの言葉、「Be water(水になれ)」はあまりにも有名です。水は波動を強く、速く伝えます。丹田で産み出した波動を相手に伝える心身の状態をいかに創り出すのかが課題です。
丹田の球体で捌く⑥(浮いた水袋になる)
浮いた水袋は、捉えどころが分からず、力で抑えつけることができません。丹田を浮かせ、心身を柔らかくすることで、この状態に近づければ、相手のの力は無力化され、相手は自分でバランスを崩して倒れます。
ひたすら内観に徹し技をかけようとしない(動く禅の探求②)
技をかけようとして動き出せば、相手に伝わり、抵抗・反発を惹起します。ただ自分の心身を内観して、バランスを取り戻して自然体になる。その結果として相手が崩れ、それに応じて技を繰り出す。禅のように己の内側に意識を集中することだけを課題として稽古します。
重心を正中線に戻し自然体でかける天地投げ(中心帰納の探求⑪)
相手との関係で生じている自分の中の不均衡を、正常な状態に戻す。そのためには、自分の身体のどこが緊張し、どこに力が入り、どう固まっているのかを自覚しなければいけません。そしてそれを自分で補正して自然体に戻る。それは同時に、自分に向かって来る相手のエネルギーを吸収することでもあり、技はそれをただ返してあげるだけのものです。
心身の波動を活かす天地投げ(円転の理③)
エネルギーを滞らせない動きこそ、円転の理が目指すものです。相手のエネルギーを吸収して生み出す小さな波が、大きな波動となって相手に返っていく。心身が波打つように捌くことを目指します。
合気で捌く③そもそも合気って何?(片手取り四方投げ・両手取り天地投げ・諸手取り呼吸投げ)
相手を居着かせた瞬間、相手と一体化した状態でバランスが均衡します。それを一方的に解除すると、相手は無意識に崩れたバランスを取り戻そうとして付いてくる。まさに力ではない導きとなり、一体化すればするほど大きく崩れるという、合気道の本質に迫ることができます。道場はまさに、こうしたプロセスの実験場であり、道友は実験仲間です。