膝抜きにより、筋力を駆使した動きをできる限り少なくすることを目指します。体重の上下動をなくし、身体が一つの塊のまま動く。何十キロもある身体がちょっと動くだけで、その運動エネルギーは相手を崩すのに十分です。
マリオネットは居着かない(常に心身の状態をチェックする)
頭は天頂から吊り下げられ、体軸はブレず、足は浮いたように軽やかに。マリオネットは決して居着くことはありません。自分の心身の状態を常にチェックし、どんな状況でもマリオネットのように軽やかに動く、これが稽古の目標です。
丹田の球体で捌く③(柔らかさは波を伝える)
すべてのエネルギーはまず丹田にもらい、球体はそれを返し、最後に再び丹田に帰っていく。そのエネルギーの波を伝えるためには、心身が柔らかい状態にあることが必須です。特に肩甲骨はがしができているのかどうか、が試金石となります。後両手取りであえて相手にがっちりと掴ませるのは、それを検証するためです。
浮いて呼吸で捌く二人掛け(2段審査準備)
二人に両側からがっちりと諸手で掴まれても、力まず、踏ん張らず、頑張らない。自分が浮いて自然体に戻ることで相手と一体化し、相手の力を無力化した上で、ただ軽く捌きます。
つま先立ちで相手と一体化する(浮舟の探求9)
開祖の足袋は、母指球の部分が頻繁に破れていたという話を聞いたことがあります。また、藤平光一先生の動画を観ると、まるで飛び跳ねるように捌いておられます。これが意味することは一体何か? を問い続けています。
前後の膝抜きで浮舟になる(問題意識を共有する⑤)
膝抜きを駆使すれば、筋力を使わず、自分の運動エネルギーをストレートに相手に伝えられます。米1俵どころか、その半分の米1体30キロがわずか数センチ動いただけで、どれだけの運動エネルギーを生じるのか。「重さ」と向き合うことが少ない現代人にはなかなか理解できない世界です。
丹田を中心に世界に浮かぶ(問題意識を共有する③)
当り前のように考えられているすり足は、自分の体重を下に逃がし、身体が重くなるためNGです。もし数十キロの物体が摩擦係数なしに自由に動けば、すさまじい運動エネルギーが発生します。浮舟はその状態に近づいていくための一歩です。
踏ん張らず力まず腕を使わない(問題意識を共有する②)
合気道を経験された方が体験に来られた場合、私たちがどのような問題意識で稽古しているのかをご説明します。技術的なことは指導者、道場によって千差万別なのは当たり前。ただ、同じ合気道仲間として、問題意識を共有できれば、楽しい稽古ができると思います。
心身を浮かせて膝抜きで動く(浮舟の探求⑧)
筋力や瞬発力に依存せず、自分のバランスをコントロールしながら膝抜きで動けば、踏ん張らず、力まず、固まることもありません。後両手取りなどの捌きにおいて、はっきりとその差が出ます。
風船のような軽さで捌く後両手取り呼吸投げ(浮舟の探求⑦)
相手を重く感じれば、無意識に力が入ります。つまり、相手を軽く感じる、その心身の状態に自らを持っていくことが問われます。持たれた手は重力センサーで、それが測定値ゼロになるのが目標です。