身体意識を育む遊び稽古②無我になり捨てる

他の道場から体験で参加していただいた方には、日頃の稽古での問題意識をご説明します。技の詳細など、道場によって千差万別は当たり前。でも、同じ合気道仲間として、「こんな問題意識で稽古すると面白いな」と感じていただければと思います。

呼吸で捌く正面打ち一教(呼吸力の探求①)

相手の打ち込みに対して、こちらも打ち込みで返さない。打ち込みに合わせて身体全体の呼吸で吸収し、下に崩す。呼吸力とは何か? 身体のすべての力を抜いた上で、最後に残るのは丹田を中心にした身体全体の開け閉めではないのか? 踏ん張れば足に、肩に、肘に力が入る。その力とはまったく次元の違う、踏ん張らない呼吸力を探求します。

浮遊する諸手取り呼吸投げ(浮舟の探求⑤)

どんなにがっちり持たれても、合気すればその力を感じなくなり、ゆえに自分も力を入れる必要がなくなります。まるで自分と相手が一緒に浮遊している感覚です。どんな相手に対しても、どんな場面でもこれができるのか? 今後の課題です。

ゼロ・グラビティの二人掛け諸手取り合気下げ(浮舟の探求③)

人間の脳の能力の9割は、自分のバランスを保つために使われているそうです。つまり、相手を投げるより、相手に崩された自分を元に戻す力のほうが、はるかに本能的で自然だと言うことです。そして、持たれた手はセンサーであり、自分が自然体に戻れば、逆に相手の力は無力化し、まるで無重力のような状態に入れます。これが合気の本質なのかどうか・・さらに探求していきます。