大切なことはすべて心身の内部で起きています。特に肩甲骨周りを柔らかく駆使すること、そのために心もリラックスさせること。合気道を通じて心身を解放する途を学ぶことこそが一番大切です。
隅落としは腕をブランと振るだけ
成人の腕の重さだけで5キロぐらいはあるでしょう。それがブランと振れる運動エネルギーはかなりのものですが、普通は自分で腕を支えてしまうので駆使できません。
中心帰納で自然体に戻すだけで相手は崩れる
がっちりと諸手で持たれているのは気にせず、ただ自分のバランスを内部で戻すことだけを考えます。そのためには、身体意識を研ぎ澄まし、固くなっている箇所、力んでいる箇所を自ら緩めることが必要です。
脱力すればするほど技は効く
心身の力みは即座に相手に伝わり、相手も固くなり、技はかかりません。ただダラリと相手の腕にぶら下がるだけです。
心身を柔らかく解放して捌く
後から両手をねじ上げられた厳しい状態でも、心身を解放して柔らかく捌くことは可能です。心が固まると、身体も固まる。心身は一体であることを学ぶ稽古です。
上虚下実の捌き(正面打ちはただ腕を上げるだけ)
両腕だけで10キロ近い重さがあり、それをただ上げて相手に渡し一歩入身すれば物凄い運動エネルギーです。しかし肩が固く腕に力を入れれば、その力は失われ、自分のバランスも崩れます。上を虚にし、下を実にする。武道にとっては永遠の課題です。
重力を使い身体のパーツを活かす①(呼吸法)
片腕だけでも4~5キロ、両腕なら10キロ前後はあるだろう身体パーツを何不自由なく上げ下げできる。普通の人が当たり前に行っているこの動作は、考えれみればすごい能力です。しかしそのパワーは、筋力を駆使すればするほど相手には伝わりません。合気道は誰もが持っている潜在能力を開花させる道だと考えると、面白くなってきます。
呼吸力と脱力は表裏一体(肩をどうやって柔らかくするのか)
呼吸力を発揮するためには、脱力、特に肩の脱力が必須ですが、これがなかなか難しい。そこでまずは受けに肩を振ってもらい、疑似的に脱力状態にしてから技をかけてみる。このことで、本来の脱力がどんな感じなのかを体感し、そこを目指して稽古します。
伸び伸びと心身を解放する呼吸の流れ②なぜ片手取り呼吸法と呼ぶのか?
合気道の稽古において、アルファでありオメガである片手取り呼吸法。恥ずかしながら、なぜ「呼吸法」なのか、この当たり前の問いを本質的に突き詰めて考えてことはありませんでした。最近、やっと少し分かってきた気がします。
受動的能動性①(先に拳銃を抜いたガンマンはなぜ負けるのか)
量子力学において、アインシュタインと双璧をなすニールス・ボーアは、大の西部劇ファンで、ガンマンの決闘で先に抜いたほうが負けるのは本当なのかと疑問に思い、助手を使って実際に(水鉄砲で)実験したそうです。結果は、相手の動きに反応した動きの方が早かったとのこと。合気道においても興味深いテーマです。