ブルース・リーの言葉、「Be water(水になれ)」はあまりにも有名です。水は波動を強く、速く伝えます。丹田で産み出した波動を相手に伝える心身の状態をいかに創り出すのかが課題です。
受動的能動性①(先に拳銃を抜いたガンマンはなぜ負けるのか)
量子力学において、アインシュタインと双璧をなすニールス・ボーアは、大の西部劇ファンで、ガンマンの決闘で先に抜いたほうが負けるのは本当なのかと疑問に思い、助手を使って実際に(水鉄砲で)実験したそうです。結果は、相手の動きに反応した動きの方が早かったとのこと。合気道においても興味深いテーマです。
丹田の球体で捌く⑥(浮いた水袋になる)
浮いた水袋は、捉えどころが分からず、力で抑えつけることができません。丹田を浮かせ、心身を柔らかくすることで、この状態に近づければ、相手のの力は無力化され、相手は自分でバランスを崩して倒れます。
丹田の球体で捌く④(足をブレーキにしない)
小さな子どもでも30キロの米袋の重さがあります。それがくるっと回転すれば、大人でも止められないエネルギーがあります。でも、多くの場合、そのエネルギーを止めているのは足です。「地に足をつける」と言うイメージは、多分、武道的には大きな阻害要因となります。
丹田の球体で捌く③(柔らかさは波を伝える)
すべてのエネルギーはまず丹田にもらい、球体はそれを返し、最後に再び丹田に帰っていく。そのエネルギーの波を伝えるためには、心身が柔らかい状態にあることが必須です。特に肩甲骨はがしができているのかどうか、が試金石となります。後両手取りであえて相手にがっちりと掴ませるのは、それを検証するためです。
丹田の球体で捌く②(突きのエネルギーをもらって返す)
突きを避けて捌くのではなく、相手の突きのエネルギーで自分の丹田の球体がくるりと廻る。独楽を回す糸のように、相手の突きが自分を廻してくれ、もらったエネルギーをそのまま返してあげるだけ。さらに心身の状態を丹田を中心とした球体にすることで、360度のバランスが保てます。
丹田の球体で捌く①(中心力を高める)
腕で何かをしようとすると、手首、肘、肩が固まり、足は踏ん張った状態になりNGです。腕は相手のエネルギーを自分の丹田の球体に導く通り道に過ぎません。そして球体に入ってきた相手のエネルギーをそのままくるっと廻して返してあげる。丹田を自由に回転する浮遊する球体にする。今はまだ下丹田しか意識できませんが、これを中丹田、上丹田にも発展させることが来年の課題です。
つま先立ちで相手と一体化する(浮舟の探求9)
開祖の足袋は、母指球の部分が頻繁に破れていたという話を聞いたことがあります。また、藤平光一先生の動画を観ると、まるで飛び跳ねるように捌いておられます。これが意味することは一体何か? を問い続けています。
前後の膝抜きで浮舟になる(問題意識を共有する⑤)
膝抜きを駆使すれば、筋力を使わず、自分の運動エネルギーをストレートに相手に伝えられます。米1俵どころか、その半分の米1体30キロがわずか数センチ動いただけで、どれだけの運動エネルギーを生じるのか。「重さ」と向き合うことが少ない現代人にはなかなか理解できない世界です。
腕の意識を捨てる(問題意識を共有する④)
持たれた手を意識せず、接点で捌こうとしない。重要なことはすべて、自分自身の心身の内側で起きていることを自覚する。相手を変えようとしない、自分の心身の状態をコントロールすることが、何より大切です。