合気下げの大前提は、自分の身体を塊にする収縮力ですが、相手との接触面=皮膚感覚も大切です。皮膚は「第二の脳」と言われるほどに、様々なセンサーを有し、脳以上に身体組織と密接につながっている。その皮膚で捌くことを目指します。
合気下げの探求①1俵の重さを伝える身体意識(二人掛け諸手取り合気下げ)
多くの現代人は、30キロの米袋がどれほど重いのかすら知りません。ましてや、1俵(60キロ)前後ある自分自身の身体を塊にすれば、どんな相手でもそれを支えることができないという実感が持てない。合気道の身体意識は、まずその自覚からこそ始めるべきでしょう。
呼吸力の探求⑰心身をバネのように駆使する(正面突き呼吸投げ)
呼吸力は心身内部に強靭なバネを生み出し、その収縮と伸びを呼吸でコントロールします。バネの中心は下丹田にあり、それが強ければ強いほど、相手のエネルギーを吸収し、増幅させて相手に返すことができます。
呼吸力の探求⑯身体を瞬時に鉄の塊にする(両手取り合気下げ)
30キロの鉄の塊から出る鉄の取っ手を突然持たされたら、どんな力自慢の人でも一瞬で崩れます。呼吸力による心身の緩急で、その状態を自由に創り出すことを目指します。
呼吸力の探求⑮開放と締め(正面打ち捌き)
自分の心身を開放して打ち込みに気を合わせ、そこから相手と一体化するように絞り込み、下に崩します。腕の力は一切使わないので、受けは瞬時に崩されてまったく抵抗できません。
呼吸力の探求⑭球体を作りだす呼吸法(片手取り、後両肩取り)
相手の気とエネルギーをもらい、それを大きな球体に膨らませて相手に返してあげる。この動きを、呼吸と心身の緩急のプロセスに合致させるのを目指します。
呼吸力の探求⑬呼吸は生命のリズム(入身投げ、四方投げ)
すべての技は、呼吸のリズム、つまり生命のリズムに則って展開されるのが理想です。その呼吸のリズムと連動するのが心身の緩急です。まるで自然の波に乗るように技をかけることが理想です。
呼吸力の探求⑫呼吸投げ(両手取り、諸手取り)
呼吸投げはなぜ呼吸投げと言うのか・・この問いに答えが見い出せずにいましたが、身体内部の捌きが、呼吸と連動した心身の緩急にあるのではないかと気付いて、やっと少し分かってきたような気がします。
呼吸力の探求⑪呼吸力は弛緩力を生む(後両手取り)
身体を塊の状態から一気に脱力してバラバラの状態に移行させることで、相手はまるで、突然捉えどころのない小魚の群れを追いかけることになり対応できなくなります。これが呼吸力が生み出す弛緩力なのかもしれません。
呼吸力の探求⑩身体を瞬時に塊にする(諸手取り合気下げ)
心身の開放と締めを呼吸と連動することで、瞬時に身体を塊にすることができ、合気下げが可能になります。つまり本来、合気下げの稽古は、それ自体が目的ではなく、呼吸法の鍛錬のためにあるわけです。