自分が腕力やタイミング、スピードで崩しているのか、それとも本来の呼吸法による崩しを志向しているのか、この区別に自覚的であることがまずは一番大切です。一般的に女性は、前者に依存することが体力的に無理な場合が多いので、逆に早くから後者を志向する傾向が強いかもしれません。それはとてもいいことです。
肩取りから自然体に戻す(中心帰納の探求⑰)
相手との接点が手から肘、肩、そして胸など、正中線に近づいてくるほど、自然体に戻すプロセスは繊細な重心移動となります。そして力ずくで大きく動かせば動かすほど、相手に感知されます。ほんのわずかな崩しが、より根底的な崩しにつながる世界を目指します。
ひたすら内観に徹し技をかけようとしない(動く禅の探求②)
技をかけようとして動き出せば、相手に伝わり、抵抗・反発を惹起します。ただ自分の心身を内観して、バランスを取り戻して自然体になる。その結果として相手が崩れ、それに応じて技を繰り出す。禅のように己の内側に意識を集中することだけを課題として稽古します。
初めての座技正面打ち一教(丹田で下に崩す)
座技はまずは膝行がしっかりできるかですが、接点でぶつかることなく、丹田の動きで相手を下に崩してから膝行し制することを目指します。すべての技と同様、まずは崩しがなければ無理な動きになってしまいます。
相手のエネルギーを丹田に入れて優しく返すだけ(動く禅の探求①)
敵対する心を捨てる、愛をもって相手に接する・・これらは武道とは関係のない単なる「絵空事」なのか・・この命題に対する問いを求めて、新たに「動く禅」の探求を始めます。まずは相手にがっちりと諸手で掴まれた状態から。
初めての片手取り入身投げ(腰回しの探求①)
4級、5級の方に片手取りからの入身投げを指導しました。相手のエネルギーと気持ちを自分の丹田に吸収して中心からくるっと返す。これが腰回しの感覚です。腕でラリアットするのとは真逆の世界です。
すっと立ち上がるだけの後両肩取り呼吸法(中心帰納の探求⑯)
後ろから肩をつかんでいる相手をちょっと崩して、両手の間をくぐり抜けてただすっと立ち上がるだけ。踏ん張って相手を投げようとすればするほど、自分のバランスが崩れてかかりません。ただ自然体に戻るだけだからこそ、呼吸法です。
自然体で捌く正面打ち呼吸投げ(中心帰納の探求⑮)
相手の打ち込みに合気し、自分は一番楽な自然体で捌く。相手の気持ちとエネルギーをもらい、返してあげるだけ。結果として相手を投げることになりますが、投げるために自分の態勢を崩すような無理は一切しません。
初めての正面打ち三教(指先から肩までロックする)
三教は相手の指先から肩までをロックし、掌を畳と水平になるように軽く振り下せば崩れます。できるだけ相手に痛みを感じさせないように、つまり、痛みを感じなくても崩れるように洗練させるのが目標です。
間一髪で入身する剣の間合い(正中線で捌く)
相手の剣をくぐりぬけて背面にぴたりと入身し、その瞬間に相手と気持ちを合わせ一体化する。剣から逃げるのではなく、相手の切り込みに合わせて捌く。心身を脱力させ、自然体で捌けるのか、一番難しい課題です。